Webデザイン効率UP!最初にやるべきPhotoshop環境設定と厳選ショートカット

2024.01.15

Webサイト制作において、Photoshop(フォトショップ)はデザインカンプ作成や画像加工に欠かせないツールです。しかし、初期設定のまま使っていたり、便利なショートカットキーを知らなかったりすると、思わぬところで時間を取られてしまうこともあります。

この記事では、Web制作者やWebサイト運営を始めたばかりのあなたが、Photoshopでの作業効率を格段にアップさせるための「環境設定」と、覚えておきたい「厳選ショートカットキー」をご紹介します。

※本記事のショートカット表記は、macOS(Mac)を基準に解説しています。

まず行いたい「環境設定」

Photoshopを開いたら、まずは作業しやすいように環境設定を見直しましょう。(ショートカットキー: Command + K

単位・定規 (Command + K → 「単位・定規」)

Webデザインはピクセル(px)単位で進めるのが基本です。設定を「px」に統一しておきましょう。

  • 定規: px
  • 文字: px

グリッド (Command + K → 「グリッド」)

デザインのレイアウトを整えるためにグリッドを活用します。Webデザインでは8の倍数(または4の倍数)がよく使われるため、以下のように設定しておくと便利です。

  • グリッド線: 16px
  • 分割数: 4

※設定後、グリッドを表示させるには、画面最上部のメニューバー「表示」→「表示・非表示」→「グリッド」にチェックを入れます。

作業効率が上がる「レイヤーパネル」設定

レイヤーパネルの表示も見直しましょう。レイヤーが増えてくると、どのレイヤーに何があるか分かりにくくなります。

レイヤーパネル右上のメニュー(4本線のアイコン)をクリックし、「パネルオプション」を選択。「サムネールの内容」を「レイヤー範囲のみを表示」に変更します。

※デフォルト設定(アートボード全体)では、オブジェクトが小さい場合にサムネイルでレイヤーの内容が確認しづらいため、この設定がおすすめです。

覚えておきたい厳選ショートカットキー

Photoshopには無数のショートカットがありますが、まずはWeb制作で特によく使うものから覚えていきましょう。

ツールの切り替え

ツールの切り替えは、基本的にキーボードのキー(アルファベット)を押すだけです(Commandキーは不要)。

また、同じツールアイコンに格納されている別のツール(例えば「長方形ツール」と「楕円形ツール」)を切り替えたい場合は、Shiftキーを押しながら該当のキーを押します。

キー ツール名 解説
V 移動ツール オブジェクトを移動させます。オプションバーの「自動選択」にチェックを入れておくと便利ですが、チェックがなくてもCommandキーを押しながらクリックすれば自動選択されます。
Z ズームツール 虫眼鏡マークに切り替わり、クリックした箇所を基準にズームイン・アウトできます。(Optionキーを押しながらクリックでズームアウト)
U シェイプツール 長方形ツールが基本です。Shift + Uで円や多角形などに切り替えられます。
T テキストツール 文字を入力する際に使います。
M 選択範囲ツール 長方形選択ツールが基本です。画像の一部を選択する際に使用します。
C 切り抜き / スライスツール 画像の切り抜き(トリミング)や、Web用に画像を分割するスライスツールです。Shift + Cで切り替えられます。
Space 手のひらツール Spaceキーを押しっぱなしにしている間だけ、手のひらツールに切り替わります。拡大表示中に、表示範囲を上下左右に移動させたい時に非常に便利です。

その他よく使う操作

ツール切り替え以外にも、覚えておくと格段にスピードが上がる操作です。

ショートカット 操作内容 解説
Command + D 選択範囲を解除 選択範囲ツール(M)などで作成した点線の選択範囲を解除します。
Command + H 表示・非表示の切り替え ガイド、バウンディングボックス(オブジェクト選択時の枠線)など、「表示」メニューでチェックを入れている補助的な表示を一括で表示・非表示に切り替えます。デザインをシンプルに確認したい時に便利です。
Command + 1 (or 0) 表示倍率の変更 Command + 1は「100%表示(ピクセル等倍)」、Command + 0は「ウィンドウサイズに全体を表示」します。
Command + : ガイドの表示・非表示 引いたガイドラインだけを表示・非表示にします。
Option + Command + : ガイドのロック・解除 ガイドラインを誤って動かさないようにロックしたり、編集するために解除したりします。
Option + Command + Shift + W 書き出し形式 アートボードやキャンバス全体を画像として書き出す(PNG, JPGなど)際の詳細設定画面を開きます。
Option + Command + Shift + S Web用に保存(従来) スライスツールで分割した画像パーツを書き出す際などに使う、従来の保存画面です。

まとめ

今回は、Photoshopの作業効率を上げるための環境設定とショートカットキーをご紹介しました。

特にショートカットキーは、自転車の乗り方やスポーツのフォームのように、頭で考えるよりも「手が覚えている」状態になるのが理想です。最初は面倒に感じるかもしれませんが、意識して使い続けることで、Webデザインのスピードは格段に向上します。

まずは、あなたが「よく使う操作」からショートカットキーに置き換えてみてください。


よくある質問(FAQ)

Q. Windows版のショートカットキーはどうなりますか?

A. 基本的に、MacのCommandキーはWindowsのControlキーに、MacのOptionキーはWindowsのAltキーに置き換えて使用できます。例えば、環境設定はControl + K、選択範囲の解除はControl + Dとなります。

Q. グリッド設定を「16px」「分割数 4」にするのはなぜですか?

A. これは「4pxグリッド」または「8pxグリッド」と呼ばれる、Webデザインで一般的なルールに基づいています。要素のサイズや余白(マージン・パディング)を4や8の倍数で設計することで、デザイン全体に一貫性が生まれ、整って見えるようになります。グリッドを16px(4の倍数であり8の倍数でもある)に設定し、分割数を4(16 ÷ 4 = 4)にすることで、4px単位でのデザインがしやすくなります。

Q. ショートカットキーが多すぎて覚えられません。コツはありますか?

A. 一度にすべてを暗記しようとする必要はありません。まずは、あなたが最も頻繁にマウスで操作している作業(例えば「移動ツール(V)」と「テキストツール(T)」の切り替え、「手のひらツール(Space)」での移動など)を3〜5個だけ選び、それを徹底的にショートカットキーで実行するように意識してみてください。それに慣れたら、次の3〜5個を覚える、というように段階的に進めるのがおすすめです。

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